家族葬を会社にどう伝えるか|忌引きの申請・連絡の文例・香典を辞退するとき

家族葬にすると決めたあと、多くの方が最初につまずくのが職場への連絡です。

身内だけで静かに送りたい。

でも、休みは取らなければならない。

言えば来られてしまうのではないか、という心配もあります。

先にお伝えすると、家族葬であっても、会社への連絡は必要です。

そのうえで、来てもらわないための伝え方があります。

もうひとつ、意外に知られていないことがあります。

忌引き休暇は、法律で決まっている制度ではありません。

何日休めるかは、勤め先の就業規則が決めています。

この記事では、連絡の順番と伝える内容、そのまま使える文例、そして香典を受け取ってしまったときの判断までをまとめます。

  • 忌引き休暇の日数は会社が決めている
  • 誰に、何を伝えるか
  • そのまま使える連絡の文例
  • 香典を辞退するときの伝え方
  • 辞退したのに届いてしまったら
目次

忌引き休暇の日数は、法律ではなく会社が決めている

ここを知らずに動くと、予定が立ちません。

労働基準法に忌引き休暇の定めはない

厚生労働省は、休暇を2種類に分けて説明しています。

種類内容
法定休暇法律で定められた休暇年次有給休暇、育児休業
法定外休暇就業規則により会社が任意に定めた休暇病気休暇、ボランティア休暇

忌引き休暇(慶弔休暇)は、下の「法定外休暇」にあたります。

厚生労働省の説明では、特別な休暇制度とは「法律によって義務とされている休暇ではなく、企業が任意に設ける休暇制度」です。

つまり、何日休めるかを決めているのは法律ではなく、勤め先です。

「父母なら5日」と書いている記事をよく見かけますが、それはあくまで多くの会社で見られる例にすぎません。

自分の会社がそうとは限りません。

日数は就業規則で確認する

では、どこを見れば分かるのか。

就業規則です。

会社が設けている休暇は、就業規則に定めておく必要があります。

社内ポータルや共有フォルダに置かれていることが多いので、「就業規則」「慶弔」「特別休暇」で探してみてください。

見つからないときは、総務や人事に聞くのがいちばん早い方法です。

このとき確認しておきたいのは、次の3点です。

  • 故人との続柄で何日取れるか
  • 有給扱いか、無給か
  • 数え方(連続した日数か、土日を含むか)

無給の会社もあります。

その場合、有給休暇と組み合わせるかどうかを先に決めておくと、あとで慌てません。

よく見かける日数の例

とはいえ、目安がないと予定が立てられないと思います。

多くの会社で見られる日数は、おおむね次のような形です。

故人との続柄よく見かける日数
配偶者10日前後
父母5日前後
5日前後
祖父母1〜3日
兄弟姉妹3日前後
配偶者の父母3日前後
孫・おじ・おば1日前後

これは決まりではありません。

あくまで、そのように定めている会社が多いというだけです。

自分の会社が同じとは限らないので、必ず就業規則で確かめてください。

喪主を務める場合は日数を上乗せする会社もあります。

遠方で移動に時間がかかる場合に加算される規定を持つ会社もあります。

該当しそうなら、遠慮せず総務に聞いてください。

制度がない会社もある

数は多くありませんが、忌引き休暇の制度そのものがない会社もあります。

法律上の義務ではないため、これは違法ではありません。

その場合は、年次有給休暇を使って休むことになります。

いずれにしても、先に就業規則を見てから上司に連絡すると、話が早く済みます。

誰に、何を伝えるか

連絡には順番があります。

まず直属の上司へ

最初の連絡は、直属の上司です。

人事や総務ではありません。

上司は仕事の引き継ぎを調整する必要があるので、休む期間と合わせて伝えます。

そのあとで、忌引きの手続きを総務や人事に確認する、という順番になります。

連絡の手段は、まず電話が基本です。

深夜や早朝で電話をためらう場合は、メールやチャットで一報を入れて、朝あらためて電話をかければ問題ありません。

訃報は早さのほうが大事です。

伝える項目

伝える内容は決まっています。

漏れると聞き直されるので、先に書き出してから連絡すると落ち着いて話せます。

  • 亡くなった方と自分の続柄
  • 亡くなった日
  • 葬儀の形式(家族葬であること)
  • 休みたい期間
  • 引き継ぎが必要な仕事
  • 参列と香典を辞退すること
  • 連絡がつく電話番号

葬儀の日時と場所は、家族葬なら伝えなくて構いません。

伝えると「参列してよいのか」と迷わせることになります。

聞かれた場合も、身内だけで行う旨を答えれば十分です。

辞退は2つに分けて伝える

ここは間違えやすいところです。

参列を辞退することと、香典を辞退することは、別の話です。

「家族葬で行います」とだけ伝えると、参列は遠慮しても香典は送ろう、と受け取られます。

弔電や供花も同じです。

辞退したいものがあるなら、最初の連絡で具体的に言っておいてください。

あとから断るほうが、お互いに気まずくなります。

そのまま使える連絡の文例

状況別に3つ載せます。

会社名や続柄を入れ替えて使ってください。

上司への第一報

電話がつながらないときのメール文例です。

件名:忌引き休暇のお願い(営業部・◯◯)

◯◯部長

お疲れさまです。◯◯です。

昨夜、父が亡くなりました。

つきましては、◯月◯日から◯月◯日まで忌引き休暇をいただきたく、ご連絡いたしました。

葬儀は家族葬で執り行いますので、ご参列やご香典、供花につきましては、誠に勝手ながら辞退させていただきます。

担当している◯◯の件は、△△さんに引き継ぎをお願いしております。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

連絡先:090-0000-0000

長く書く必要はありません。

辞退の一文を必ず入れておくのが要点です。

総務・人事への連絡

手続きのための連絡です。

件名:忌引き休暇の手続きについて

総務部 ◯◯様

お疲れさまです。営業部の◯◯です。

◯月◯日に父が他界いたしました件、◯◯部長へはご報告済みです。

忌引き休暇の日数と、必要な書類についてご教示いただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

会葬礼状や死亡診断書の写しを求められることがあります。

葬儀社に頼めば、会社提出用の書類を用意してもらえます。

葬儀後に伝える場合

事情があって、葬儀を終えてから報告することもあります。

その場合は、休み明けの初日に直接伝えるのが基本です。

このたび、父が◯月◯日に亡くなり、家族の希望で身内のみの家族葬にて済ませました。

ご連絡が遅くなり、申し訳ございません。

生前のご厚情に、心より御礼申し上げます。

なお、ご香典やお供えにつきましては、故人の遺志により辞退させていただいております。

遅れたことを詫びる一文と、辞退の一文。この2つが入っていれば足ります。

家族葬にした理由を細かく説明する必要はありません。

香典を辞退するときの伝え方

辞退そのものは、失礼にあたりません。

辞退してよい

家族葬では香典を辞退する方が増えています。

香典返しの手配は、思っている以上に手間がかかります。

気をつかわせたくない、という理由で辞退して構いません。

理由を細かく説明する必要もありません。

「故人の遺志により」「誠に勝手ながら」といった言い方で十分です。

伝えるタイミング

最初の連絡のときです。

あとから伝えると、すでに用意してくださっている方が出てきます。

社内で回覧や掲示をする慣習のある会社では、そこに辞退の旨を載せてもらえるかを上司に相談しておくと確実です。

辞退したのに香典が届いてしまったら

それでも届くことがあります。

ここで判断が分かれます。

名義を見て判断する

香典袋の表書きを見てください。

会社名で出されているか、個人名で出されているか。

ここで対応が変わります。

名義性格香典返し
会社名義福利厚生費として支給されたもの不要
社長個人名+会社名・役職会社から支給されたものが多い不要
上司・同僚の個人名その方の私費必要

判断がつかないときは、総務の担当者に聞けば分かります。

会社名義なら香典返しは不要

会社名義の香典は、会社の福利厚生費から出ています。

制度として支給されたお金なので、個人に返すという性質のものではありません。

香典返しは不要です。

ただし、お礼は伝えてください。

休み明けに上司や総務へ「おかげさまで滞りなく済ませることができました」と一言添えれば十分です。

「慶弔見舞金」という名目で支給される場合も、同じ扱いになります。

個人名義なら香典返しをする

上司や同僚が個人のお金で包んでくださった場合は、他の香典と同じです。

香典返しをお贈りします。

目安は、いただいた額の3分の1から半額程度。

時期は、忌明け後1か月以内が一般的です。

品物は、食べ物や日用品など、あとに残らないものが選ばれます。

なお、いただいたときに「返しは要りません」と言われた場合は、その言葉に甘えても失礼にはあたりません。

家族葬と会社の対応についてよくある質問

家族葬なのに、会社に伝えなければいけませんか

忌引き休暇を取るためには必要です。

無断で休むことはできませんし、休暇の日数や有給の扱いも会社の規則で決まっています。

伝えるときに参列と香典の辞退を添えれば、来られてしまう心配はほとんどありません。

上司が参列したいと言ってきたら、断ってもいいですか

断って構いません。

「身内のみで執り行いますので」と伝えれば、ほとんどの場合は理解してもらえます。

心苦しい場合は、後日あらためて焼香に来ていただく形もあります。

忌引きは何日取れますか

会社によって違います。

労働基準法に忌引き休暇の定めはなく、就業規則で会社が決めているためです。

まず就業規則を確認し、分からなければ総務や人事に問い合わせてください。

会葬礼状の提出を求められました

家族葬でも、葬儀社に頼めば会社提出用の書類を用意してもらえます。

会葬礼状のほか、火葬許可証の写しや死亡診断書の写しで代える会社もあります。

何が必要かは総務に確認してください。

取引先にも伝えるべきですか

自分の判断で伝える必要はありません。

上司と相談し、会社としてどうするかを決めてもらってください。

不在中の窓口を誰にするかを決めておけば、先方に迷惑はかかりません。

まとめ

家族葬でも、会社への連絡は避けられません。

ただ、伝え方さえ決めておけば、来てもらわずに済ませることはできます。

  • 忌引き休暇は法律の制度ではない。日数は就業規則が決めている
  • 有給か無給か、数え方も会社によって違う
  • 連絡はまず直属の上司へ。総務はそのあと
  • 葬儀の日時と場所は、家族葬なら伝えなくてよい
  • 参列辞退と香典辞退は、分けて伝える
  • 辞退は最初の連絡で。あとからでは遅い
  • 香典が届いたら名義を見る。会社名義は返礼不要、個人名義は必要
  • 個人名義への香典返しは、3分の1から半額を忌明け後1か月以内に

今日できることをひとつ挙げるなら、就業規則の慶弔休暇の項目を開いて、日数と有給の扱いを確認しておくことです。

いざというときに調べる余裕はありません。

誰を呼ぶかで迷っている場合は、家族葬はどこまで呼ぶ?親族の範囲と費用・流れの基本もあわせてご覧ください。

親の連絡先や交友関係を整理しておきたい方は、エンディングノートは何を書く?が役に立ちます。

参考・出典

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この記事を書いた人

終活むすこのアバター 終活むすこ 親の終活に奮闘する40代後半

「おや終活」運営者。40代後半の会社員。親の終活が「ひとごと」でなくなった世代として、墓じまい・遺品整理・実家じまいについて、自分で調べて動いた記録を発信しています。相続や税金など専門判断が必要なことは扱わず、専門家への相談をご案内する方針です。

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