家族葬の連絡を受けて、何を着ていくか迷っている。
あるいは、自分が施主で、親族に何と伝えるか決めかねている。
家族葬で服装が悩ましいのは、「身内だけだから」という前提が人によって違うからです。
同居家族だけの式と、いとこまで集まる式では、話が変わります。
先にお伝えします。
迷ったら喪服です。
浮くとしたら、きちんとしすぎる方向です。
そちらで浮いても、誰も困りません。
そのうえで、私服で構わない場面も実際にあります。
この記事では、どちらなのかを見分ける方法から書きます。
- 身内だけなら私服でいいのか
- 男性・女性・子どもの服装
- 通夜と葬儀、季節での違い
- 喪服がないときの選択肢
- 施主が伝えるときの言い方
身内だけなら私服でいいのか
ここが分かれ目です。
決めるのは施主
服装に法律や規則はありません。
その式でどうするかを決めるのは施主です。
だから、参列者の立場なら、施主からの案内に従うのがいちばん確実です。
案内がなければ、聞いて構いません。
「服装はどうしましょうか」
この一言で解決します。
聞かれた施主も、当日に浮いた格好をされるより助かります。
参列者の顔ぶれで決まる
案内がなく、聞ける相手もいない場合の目安です。
| 参列する顔ぶれ | 服装 |
|---|---|
| 同居の家族だけ | 私服で行うこともある |
| 別居の子や孫まで | 喪服が無難 |
| おじ・おば、いとこが来る | 喪服 |
| 会社や友人の方が来る | 喪服 |
| 僧侶を招く | 喪服 |
分かれ目は、家族以外の目があるかどうかです。
親族が集まる場で私服なのは、あとで話題になります。
「あの人だけ普段着だった」と言われるのは、たいてい本人が知らないところです。
僧侶を呼ぶかどうか
読経をお願いする場合は、喪服が基本です。
宗教儀式の場になるためです。
逆に、火葬だけを行う直葬の形なら、平服で行うこともあります。
その場合も、黒や紺の落ち着いた服装にはします。
男性・女性・子どもの服装
具体的に見ていきます。
男性
喪服の場合、黒のスーツに白のシャツ、黒のネクタイ、黒の靴下と靴です。
気をつけたいのは、黒いスーツと喪服は別物という点です。
ビジネス用の黒いスーツは、光の下で見ると織り目が見えます。
喪服は光を吸う黒で、並ぶと差が出ます。
とはいえ、急な訃報でビジネススーツしかない場合、それで参列して問題にはなりません。
ネクタイと靴下を黒にすれば整います。
- 光る金具のついた靴は避ける
- 腕時計は派手なものを外す
- 結婚指輪以外のアクセサリーは外す
女性
黒のワンピース、アンサンブル、スーツです。
- ストッキングは黒(肌色でも許容されることが増えています)
- 靴は黒のパンプス。高いヒールは避ける
- バッグは光沢のないもの
- アクセサリーはパールの一連まで
パンツスーツでも構いません。
「女性は必ずスカート」という決まりはなく、寒い時期や移動が多い場合はむしろ現実的です。
化粧は控えめにし、ネイルは落とすか、手袋で隠します。
子ども
制服があれば制服です。
これがいちばん確実で、色が明るくても構いません。
制服がない場合は、白いシャツやブラウスに黒・紺・グレーのズボンやスカートを合わせます。
買い揃える必要はありません。
派手な色や大きな絵柄を避ければ、手持ちの服で足ります。
乳幼児は、動きやすさを優先して構いません。
「平服で」と言われたら
普段着という意味ではありません。
黒・紺・グレーの落ち着いた服装を指します。
- 男性:ダークスーツ、地味なネクタイ(外しても可)
- 女性:黒や紺のワンピース、アンサンブル
避けるものははっきりしています。
ジーンズ、スニーカー、Tシャツ、明るい色、派手な柄、露出の多いもの。
「平服で」は、気を楽にするための言葉であって、何でもいいという意味ではありません。
通夜と葬儀、季節での違い
同じ式でも、日によって変わる部分があります。
通夜と葬儀で違うのか
もともと通夜は「急な知らせを受けて駆けつける」場でした。
そのため、平服でもよいとされてきた経緯があります。
ただ、いまは通夜も喪服で参列する方が多数です。
家族葬では通夜を行わないことも増えているので、あまり悩む場面ではありません。
通夜と葬儀の両方に出る場合、同じ喪服で構いません。
着替える必要はありません。
夏の場合
式場は冷房が効いていることが多いところです。
一方、火葬場への移動や、屋外での見送りでは暑くなります。
- 上着は持参し、式の間だけ羽織る
- 移動中は脱いでいて構わない
- 半袖のシャツやブラウスに上着、という形で足りる
夏用の喪服は生地が薄く、涼しくできています。
年に何度も参列する年代なら、1着あると楽になります。
冬の場合
コートは、式場に入る前に脱ぎます。
黒でなくても構いません。
紺やグレーなど、地味な色であれば問題にはなりません。
避けたいのは、毛皮とファーのついたものです。
殺生を連想させるとされ、慶弔の場では外すのが通例です。
手袋やマフラーも、式場に入る前に外します。
持ち物
服装以外で、当日あると困らないものです。
- 数珠(仏式の場合)
- 袱紗(ふくさ)に包んだ香典
- ハンカチ(白か黒の無地)
- 替えのストッキング
数珠は宗派によって形が違いますが、略式のものであればどの宗派でも使えます。
忘れても、それで焼香ができなくなるものではありません。
香典の包み方は家族葬の香典はどうする?にまとめました。
喪服がないときの選択肢
当日までに手に入らないこともあります。
買わずに済ませる方法
急な訃報で、時間も予算もない場合。
手持ちの服で整えて構いません。
- 黒か濃紺のスーツ、ジャケット
- 白いシャツかブラウス
- 黒のネクタイ(コンビニでも買えます)
- 黒の靴下、黒の靴
これで大きく外しません。
レンタルという方法もあります。
葬儀社が手配してくれることが多く、式場で借りられる場合もあります。
数千円から借りられるので、年に一度あるかないかなら、こちらのほうが合理的です。
サイズが合わない喪服を無理に着るより、借りたほうがきれいに見えます。
今から買う場合
これから何度も使うことを考えるなら、買っておく選択もあります。
40代・50代は、参列の機会が増える年代です。
選ぶときの目安です。
- 体型が変わっても着られるよう、少し余裕のあるサイズ
- 夏用と冬用で迷ったら、通年で着られるものを1着
- 女性は、パンツとスカートの両方があると使い回せる
急ぎでなければ、落ち着いてから選んでください。
慌てて買うと、次に着るときに合わなくなります。
施主が伝えるときの言い方
ここは、施主の立場の方に向けた話です。
先に伝えておく
参列をお願いするとき、服装まで伝えておくと親切です。
聞かれてから答えるのでは、遅いことがあります。
遠方の親族は、前日には荷造りを終えています。
日程の連絡と同時に、一言添えてください。
文例
喪服でお願いする場合。
葬儀は◯月◯日、◯◯斎場にて執り行います。
身内のみの家族葬ですが、僧侶をお招きしますので、平服ではなく喪服でお越しいただければと思います。
私服で構わない場合。
ごく身内だけで見送りますので、堅苦しくない服装でお越しください。
黒や紺の落ち着いたものであれば、スーツでなくて構いません。
「平服で」とだけ書くと、人によって受け取り方が変わります。
具体的に書いたほうが、相手も迷いません。
なお、香典や供花を辞退する場合は、この連絡と同時に伝えてください。
書き方は家族葬の香典はどうする?にまとめました。
会社関係への連絡は家族葬を会社にどう伝えるかをご覧ください。
家族葬の服装についてよくある質問
身内だけなので私服で、と言われました。本当に私服でいいですか
施主がそう言っているなら、それに従って構いません。
ただし、普段着ではなく黒・紺・グレーの落ち着いた服装にしてください。
ジーンズやスニーカーは避けます。
黒いスーツを持っていますが、喪服ではありません
急な訃報であれば、それで参列して問題にはなりません。
黒のネクタイと黒の靴下に替えれば整います。
気になる場合は、レンタルという方法もあります。
女性はパンツスーツでもいいですか
構いません。
「必ずスカート」という決まりはありません。
黒で、光沢のないものを選んでください。
夏の葬儀で上着は必要ですか
式場は冷房が効いていることが多いので、持参をおすすめします。
移動中は脱いでいて構いません。
半袖のブラウスやシャツに、式の間だけ上着を羽織る形で足ります。
子どもの服装で気をつけることはありますか
制服があれば制服で構いません。
なければ、白のシャツに黒か紺のズボン・スカートで足ります。
わざわざ買い揃える必要はありません。
まとめ
服装で迷ったら、判断の順番を決めてください。
- 決めるのは施主。案内があればそれに従う
- 案内がなければ「服装はどうしましょうか」と聞く
- 分かれ目は家族以外の目があるかどうか
- おじ・おば・いとこ、会社の方、僧侶が来るなら喪服
- 迷ったら喪服。きちんとしすぎて困る人はいない
- 「平服で」は普段着ではなく、黒・紺・グレーの落ち着いた服装
- 黒いビジネススーツでも、ネクタイと靴下を黒にすれば整う
- レンタルという方法もある
- 女性のパンツスーツは問題ない
- 子どもは制服。なければ手持ちの服で足りる
- コートは式場に入る前に脱ぐ。毛皮とファーは避ける
今日できることをひとつ挙げるなら、施主に服装の希望を確認することです。
それだけで、当日の迷いはなくなります。
誰を呼ぶかの段階なら、家族葬はどこまで呼ぶ?もあわせてご覧ください。
喪主として挨拶をする立場なら、家族葬の喪主の挨拶に文例をまとめています。

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