家族葬で見送ったと聞いた。
参列はできなかったけれど、手を合わせに行きたい。
でも、迷惑ではないだろうか。
あるいは、逆の立場かもしれません。
静かに送ったのに、次々と人が訪ねてくる。
断りたいけれど、角が立たないだろうか。
弔問がややこしいのは、この2つが同時に存在するからです。
先にお伝えします。
弔問は、迷惑になることがあります。
そして、断ってよいものです。
どちらの立場の方にも、そのまま使える形でまとめます。
- 訪ねる側:行っていいかの判断
- 訪ねるときの作法
- 受ける側:断ってよい
- 受ける側の準備
- 断るときの伝え方
訪ねる側:行っていいかの判断
まず、訪問する立場からです。
葬儀前と葬儀後で違う
同じ「弔問」でも、時期で意味が変わります。
| 時期 | 扱い |
|---|---|
| 訃報を受けてすぐ〜通夜前 | ごく近い関係のみ。それ以外は控える |
| 通夜・葬儀の当日 | 呼ばれていなければ行かない |
| 葬儀後〜四十九日 | 弔問に適した時期 |
| 四十九日以降 | 可能。ただし事前連絡は必須 |
家族葬で参列を控えた方が訪ねるなら、葬儀後です。
そして、葬儀の直後は避けてください。
役所の手続き、金融機関、片付け。
遺族がいちばん動き回っている時期です。
目安は、葬儀から1週間ほど過ぎてからになります。
必ず連絡してから行く
これがいちばん大事な点です。
約束なしで訪ねないでください。
家族葬を選んだ方は、静かに過ごしたいと考えていることがあります。
そこへ突然訪問されると、応対のために予定が崩れます。
連絡はこの形で足ります。
このたびはご愁傷さまです。
お線香をあげに伺いたいのですが、ご都合のよい日はありますでしょうか。
ご負担でしたら、遠慮なくおっしゃってください。
最後の一文を入れてください。
これがあると、遺族は断りやすくなります。
「行きます」ではなく「伺ってもよいか」と尋ねる形にするのが要点です。
行かないという選択もある
弔意を伝える方法は、訪問だけではありません。
- 手紙を送る
- 後日、あらためて連絡する
- 一周忌など、区切りのときに墓参りをする
気持ちを伝えるのは、こちらの都合ではなく相手の都合に合わせるほうが届きます。
「弔問 迷惑」と検索する方がいるのは、その感覚が正しいからだと思います。
とくに、辞退の連絡を受けているなら訪問は控えてください。
訪ねるときの作法
行くと決まったあとの話です。
服装と持ち物
喪服では行きません。
葬儀は終わっているので、喪服だと仰々しくなります。
- 黒、紺、グレーの地味な平服
- 派手な色、大きな柄、光る装飾は避ける
- 数珠は持参する
持ち物としては、日持ちのするお菓子や線香が選ばれます。
香典を持参する場合は、辞退されていないか先に確認してください。
辞退の連絡を受けているなら、持っていきません。
香典の考え方は家族葬の香典はどうする?にまとめました。
滞在時間
30分を目安に切り上げてください。
長居されると、遺族は食事や休憩の予定を立てられません。
流れとしては、こうなります。
- 玄関で挨拶する
- 仏壇や遺影に手を合わせる
- 少し話をする
- 辞去する
「上がってください」と言われても、玄関先で済ませて構いません。
そのほうが相手の負担は小さくなります。
言ってはいけないこと
悪気なく出てしまう言葉があります。
- 「どうして知らせてくれなかったの」
- 「なぜ家族葬にしたの」
- 「もっと早く言ってくれれば行ったのに」
家族葬にしたのは、遺族が決めたことです。
知らせなかったことにも、理由があります。
責める形になる言葉は、避けてください。
死因を細かく聞くのも控えます。
代わりに効くのは、故人の思い出をひとつ話すことです。
「◯◯さんに、こんなことをしていただきました」
それだけで、伺った意味があります。
受ける側:断ってよい
ここからは、遺族の立場です。
断るのは失礼ではない
家族葬を選んだ理由は、人それぞれです。
- 高齢で、応対する体力がない
- 仕事を長く休めない
- 静かに過ごしたい
- 家に人を上げられる状態ではない
どれも、正当な理由です。
そして、理由を説明する必要もありません。
「弔問はご遠慮ください」と伝えて構いません。
無理に受けて体調を崩す方が、実際にいます。
全部を受ける必要はない
「断るのは気が引ける」という場合、全部か全部断るかの2択ではありません。
- ごく近い親族だけ受ける
- 四十九日を過ぎてからにしてもらう
- 日を決めて、まとめて来てもらう
「◯月◯日なら在宅しています」と伝える形にすると、断らずに整理できます。
一日にまとめれば、応対も一度で済みます。
受ける側の準備
断らずに受けると決めた場合、あると楽になるものがあります。
家に用意しておくもの
弔問を受ける可能性があるなら、先に整えておくと慌てません。
- 線香とろうそく、マッチかライター
- 遺影と、手を合わせられる場所
- お茶と、日持ちする茶菓子
- 返礼の品(数個でよい)
仏壇がなくても構いません。
遺影と線香立てを置いた小さな台があれば、手を合わせていただけます。
玄関先で対応する場合は、遺影を持ち運べる形にしておくと便利です。
返礼は、いただいた香典の額が分からない段階では、一律の品を数個用意しておくと対応できます。
不足したぶんは、後日あらためて送れば足ります。
記録しておくと後で困らない
弔問は、日をまたいで続きます。
そのため、誰が来たかを覚えていられません。
ノート1冊でよいので、その場で書き留めてください。
- 来訪した日
- 氏名と、故人との関係
- 香典やお供えの有無、金額
- 住所(分かる範囲で)
これがないと、香典返しの手配ができません。
葬儀の記帳は残っていても、後日の弔問は記録が残らないためです。
疲れている時期の作業なので、その日のうちに書くのが確実です。
香典返しの金額と時期は、家族葬の香典はどうする?にまとめました。
断るときの伝え方
具体的な文面です。
事前に伝える場合
訃報を知らせるとき、同時に書いておくのがいちばん確実です。
葬儀は近親者のみにて相済ませました。
誠に勝手ながら、ご弔問・ご香典・ご供花の儀は固くご辞退申し上げます。
生前のご厚情に、深く御礼申し上げます。
「弔問」も明記してください。
「家族葬で済ませました」だけだと、参列は控えても訪問はしようと受け取られます。
香典や供花の辞退とは別に、書く必要があります。
連絡が来てから断る場合
「伺いたい」と言われたときの返し方です。
お心遣いをいただき、ありがとうございます。
ただ、しばらく落ち着かない状況が続いておりまして、
ご弔問はご遠慮させていただければと思います。
あらためてご挨拶できればと存じます。
理由は「落ち着かない」で十分です。
詳しく説明する必要はありません。
「あらためて」と添えると、関係を切る話ではないと伝わります。
それでも来られたら
事前に断っていても、訪ねてくる方はいます。
玄関先で対応して構いません。
家に上げなければならない決まりはありません。
- 玄関で挨拶を受ける
- 手を合わせたいと言われたら、遺影を玄関に持ってくる
- 5分ほどで切り上げる
持参されたものは、受け取っておくほうが収まります。
その場で押し返すと、相手も引けなくなります。
香典を受け取った場合は、後日あらためて香典返しを送れば足ります。
家族葬の弔問についてよくある質問
葬儀に呼ばれませんでした。弔問に行ってもいいですか
事前に連絡して、了承を得られたなら行って構いません。
ただし、辞退の連絡を受けている場合は控えてください。
手紙を送る方法もあります。
いつ頃伺うのが適切ですか
葬儀から1週間ほど過ぎてから、四十九日までが目安です。
直後は手続きで慌ただしいため避けてください。
弔問を断ったら、冷たいと思われませんか
思われません。
家族葬を選んだ時点で、静かに送りたいという意向は伝わっています。
「あらためてご挨拶できれば」と添えれば、関係が切れることはありません。
弔問客が続いて疲れてしまいました
途中から断って構いません。
「しばらくは落ち着かないので」と伝えれば十分です。
日を決めて、まとめて来てもらう形にする方法もあります。
香典を持ってこられました。辞退したのに受け取っていいですか
いったん受け取ってください。
その場で強く断ると、相手も気まずくなります。
後日、香典返しをお送りする形で収まります。
まとめ
弔問は、立場を分けて考えてください。
訪ねる側
- 葬儀の直後は避ける。1週間ほど過ぎてから
- 必ず事前に連絡する。約束なしで訪ねない
- 「ご負担でしたら遠慮なく」の一文を添える
- 辞退の連絡があれば行かない
- 喪服ではなく地味な平服。30分で切り上げる
- 「なぜ知らせてくれなかったのか」は言わない
受ける側
- 断ってよい。理由の説明も要らない
- 訃報に「ご弔問」と明記して辞退する
- 全部か全部断るかの2択ではない。日を決めてまとめる手もある
- 来られたら玄関先で対応してよい
- 持参されたものは受け取り、後日返す
- 来訪者はその日のうちに記録する。香典返しの手配に要る
今日できることをひとつ挙げるなら、訪ねる前に一本連絡を入れることです。
それだけで、迷惑になる可能性はほぼ消えます。
葬儀当日に参列すべきかで迷っている場合は、家族葬に参列していいのかをご覧ください。

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