家族葬を終えたあと、次にやることが残っています。
葬儀に呼ばなかった方への報告です。
これを後回しにすると、あとで困ることになります。
風の噂で知った方から「なぜ知らせてくれなかったのか」と言われる。
年賀状の季節になって、はじめて気づかれる。
どちらも、避けられる事態です。
この記事では、誰に・いつ・どう伝えるかを、そのまま使える文例つきで整理します。
- 誰に報告するか
- いつ出すか
- 報告の文面(はがき・メール・口頭)
- 忌明けの挨拶状との違い
- 「知らせてくれなかった」と言われたら
誰に報告するか
まず、範囲を決めます。
必ず知らせる相手
ここは迷わなくて構いません。
- 呼ばなかった親族
- 故人と年賀状のやりとりがあった方
- 故人が所属していた団体(町内会、趣味の会、同窓会など)
- 故人の勤務先(現役の場合)
- 菩提寺
年賀状のやりとりは、いちばん確実な手がかりです。
故人が毎年やりとりしていた相手は、こちらが知らなくても関係が続いています。
年賀状の束を確認してください。
判断が分かれる相手
こちらは、関係の深さで決めます。
- 遠い親戚
- 故人が長く会っていなかった友人
- 自分の勤務先や取引先
迷ったら、知らせるほうを選んでください。
知らせて困ることはほとんどありませんが、知らせずに後から発覚すると気まずくなります。
自分の会社関係については、家族葬を会社にどう伝えるかにまとめました。
知らせなくてよい相手
全員に知らせる必要はありません。
- 名前だけ知っている関係
- すでに何十年も交流がない相手
- 故人が疎遠にしていた相手
故人が生前に距離を置いていた相手に、無理に知らせなくて構いません。
すべてを網羅しようとすると、作業が終わりません。
いつ出すか
時期の話です。
葬儀後、なるべく早く
早いほうが角が立ちません。
目安は、葬儀が済んで1〜2週間以内です。
遅くなるほど、「なぜもっと早く」という話になりやすくなります。
とはいえ、葬儀直後は手続きに追われています。
全員に一度に出そうとせず、近い相手から順に出して構いません。
四十九日を目安にする方法
もうひとつのやり方が、四十九日の法要を終えてから、まとめて出す形です。
「おかげさまで四十九日を相すませました」と書けるため、文面がまとまります。
香典をいただいた方への香典返しと同じ時期になるので、作業を一度にまとめられます。
近い親族には早めに口頭で伝え、それ以外は四十九日後にはがきでという使い分けが現実的です。
年末が近いとき
11月から12月に亡くなった場合、注意が必要です。
喪中はがきと事後報告が重なります。
このとき、喪中はがきで事後報告を兼ねる方がいますが、喪中はがきは年賀欠礼の挨拶であって、訃報の通知ではありません。
親しい方には、喪中はがきとは別に報告を出したほうが丁寧です。
喪中はがきで初めて知った、という形は避けたいところです。
報告の文面
そのまま使える形で挙げます。
はがきの文例
葬儀後まもなく出す場合です。
父 ◯◯儀 かねてより病気療養中でございましたが
◯月◯日 ◯歳にて永眠いたしました
葬儀は故人の遺志により 近親者のみにて相営みました
本来であれば早速お知らせ申し上げるべきところ
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
生前に賜りましたご厚情に 心より御礼申し上げます
なお 誠に勝手ながら ご香典 ご供花の儀は固くご辞退申し上げます
挨拶状では句読点を使わない形式が正式とされています。
「滞りなく終わる」ことを表すためと言われますが、句読点があるものも実際には使われています。
四十九日後の文例
法要を終えてから出す場合です。
母 ◯◯儀 ◯月◯日 ◯歳にて永眠いたしました
葬儀は家族の希望により 近親者のみにて執り行いました
おかげをもちまして ◯月◯日に四十九日の法要を滞りなく相すませました
ご通知が遅くなりましたことを お詫び申し上げます
生前のご厚誼に深く感謝申し上げますとともに
今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます
香典返しに添える場合は、この形が使えます。
メール・LINEの文例
親しい友人や、日ごろメールでやりとりしている相手には、こちらでも構いません。
ご無沙汰しております。◯◯です。
私事で恐縮ですが、父が◯月◯日に亡くなりました。
葬儀は家族だけで済ませたため、ご連絡が遅くなりました。
生前は父がお世話になり、ありがとうございました。
落ち着きましたら、あらためてご挨拶させてください。
堅い言葉を使わなくて構いません。
相手との関係に合わせた言い方のほうが、気持ちが伝わります。
口頭で伝えるとき
近所の方や、直接会う相手には口頭で伝えます。
このたび、父が◯月◯日に亡くなりました。
家族の希望で、身内だけで見送らせていただきました。
ご連絡が遅くなり、申し訳ございません。
生前は大変お世話になりました。
長く説明する必要はありません。
家族葬にした理由を細かく話さなくて構いません。
ご近所への挨拶は、四十九日を過ぎたころが目安になります。
忌明けの挨拶状と、事後報告の違い
似ていますが、目的が違います。
2つは別のもの
混同されやすいので、整理します。
| 事後報告 | 忌明けの挨拶状 | |
|---|---|---|
| 目的 | 亡くなったことを知らせる | 香典のお礼と、法要を終えた報告 |
| 出す相手 | 葬儀を知らない方 | 香典をいただいた方 |
| 時期 | 葬儀後1〜2週間 | 四十九日後1か月以内 |
| 同封するもの | なし | 香典返しの品 |
事後報告は「知らせる」、忌明けの挨拶状は「お礼」です。
香典をいただいていない方に忌明けの挨拶状だけを送ると、お礼の文面だけが届くことになり、意味が通りません。
使い分け
実務としては、こう分けると混乱しません。
- 葬儀を知らせていない方 → 事後報告
- 香典をいただいた方 → 忌明けの挨拶状+香典返し
- 両方に当てはまる方 → 四十九日後に、報告とお礼を兼ねた文面で1通
両方に当てはまる方が、意外に多くいます。
事後報告を受けて香典を送ってくださった方が、これにあたります。
その場合、四十九日後の文例に「ご丁重なるご厚志を賜り」の一文を加えれば足ります。
送った相手と、香典の有無を記録しておいてください。
これがないと、あとで誰に何を送ったか分からなくなります。
「知らせてくれなかった」と言われたら
いちばん心配される場面です。
責められる理由
強い言葉が返ってくることがあります。
「どうして教えてくれなかったんだ」
「最後に会いたかった」
これは、多くの場合そのまま受け取ってよい言葉です。
責めているというより、会えなかったことへの気持ちが形を変えて出ています。
こちらの判断を非難したいわけではないことが、ほとんどです。
返し方
言い訳をせず、まず詫びるのが収まります。
ご連絡が遅くなり、申し訳ありませんでした。
本人の希望もあり、身内だけで見送る形にいたしました。
お気持ちをいただき、ありがとうございます。
「故人の希望で」と伝えると、角が立ちにくくなります。
実際に本人の希望であることが多いはずです。
そして、「よろしければ、お参りにいらしてください」と添えると、相手の気持ちの行き先ができます。
弔問を受けるかどうかは家族葬のあとの弔問は迷惑かにまとめました。
防ぐ方法
そもそも言われないようにするには、報告を早く出すことに尽きます。
風の噂で知られる前に、こちらから伝わっている状態を作る。
「知らせなかった」ではなく「あとから丁寧に知らせてくれた」という受け取られ方になります。
順番としては、こうなります。
- 葬儀前:呼ぶ人にだけ連絡する
- 葬儀直後:呼ばなかった親族に電話する
- 1〜2週間以内:はがきかメールで報告する
- 四十九日後:香典返しとあわせて挨拶状を出す
電話とはがきを使い分けると、抜けが出にくくなります。
家族葬の事後報告についてよくある質問
事後報告のはがきは、どこで作れますか
葬儀社や印刷会社が対応しています。
定型の文面が用意されているので、故人の名前と日付を入れるだけで作れます。
香典返しを頼む先で、あわせて手配できることもあります。
何人くらいに出すものですか
決まりはありません。
年賀状のやりとりがあった方を基準にすると、範囲が決めやすくなります。
全員に出す必要はありません。
メールで済ませてもいいですか
相手との関係によります。
日ごろメールでやりとりしている相手なら問題ありません。
年配の方や、あらたまった関係の方にははがきのほうが無難です。
喪中はがきで報告を兼ねてもいいですか
兼ねられますが、あまりおすすめしません。
喪中はがきは年賀欠礼の挨拶であって、訃報の通知ではないためです。
親しい方には、別に報告を出したほうが丁寧です。
香典を送られてきたらどうしますか
辞退を書いていても、送ってくださる方はいます。
いったん受け取り、後日あらためて香典返しを送る形で収まります。
金額と時期は家族葬の香典はどうする?をご覧ください。
まとめ
事後報告は、早く出すほど角が立ちません。
- 必ず知らせるのは、呼ばなかった親族・年賀状のやりとりがあった方・所属団体・菩提寺
- 年賀状の束が、いちばん確実な手がかり
- 全員に知らせる必要はない
- 目安は葬儀後1〜2週間以内
- または四十九日後にまとめて出す(香典返しと同時にできる)
- 挨拶状は句読点を使わない形式が正式とされる
- 親しい相手にはメールでも構わない
- 喪中はがきで代用しない。年賀欠礼の挨拶であって訃報の通知ではない
- 責められたら言い訳せず、まず詫びる
- 「故人の希望で」「よろしければお参りに」を添える
- 事後報告は「知らせる」、忌明けの挨拶状は「お礼」。目的が違う
今日できることをひとつ挙げるなら、故人の年賀状の束を出してくることです。
そこに、知らせるべき相手のほとんどが載っています。

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