家族葬の香典はどうする?渡す側と受け取る側、両方の迷いに答えます

家族葬の連絡を受けて、香典をどうするか迷っている。

あるいは、自分が施主で、香典を辞退すべきか決めかねている。

家族葬の香典がややこしいのは、渡す側と受け取る側の両方に迷いがあるからです。

「辞退します」と書いてあっても、本当に持っていかなくていいのか。

親族なのに包まないのは、失礼ではないのか。

この記事では、その両方の立場から整理します。

先にひとつだけ。

辞退すると伝えられているなら、持っていかないのが正解です。

気を回して持参すると、かえって相手の手間を増やします。

  • 渡す側:包むかどうかの判断
  • 続柄ごとの金額の目安
  • 香典袋の書き方
  • 渡し方とタイミング
  • 受け取る側:辞退するかどうか
  • 受け取ったあとの香典返し
目次

渡す側:包むかどうかの判断

まず、渡す立場から見ていきます。

辞退の連絡があったら包まない

訃報に「ご厚志は辞退申し上げます」「香典は辞退させていただきます」とあった場合。

そのとおりにしてください。

辞退は形式的な遠慮ではありません。

香典を受け取ると、施主は香典返しを手配することになります。

四十九日のあとに品物を選び、送り、礼状を添える。

それを省きたくて辞退しているので、持参すると意図と逆のことが起きます。

「気持ちだから」と押し切るのは、こちらの気持ちを優先する行為になります。

連絡がなければ包む

辞退の記載がなければ、通常どおり包みます。

家族葬だからといって、香典が不要になるわけではありません。

規模の話であって、作法が変わるわけではないからです。

参列する場合はもちろん、参列しない場合でも、近い親族なら包むことがあります。

判断がつかないときの聞き方

訃報に何も書かれていない、という場合もあります。

そのときは、遠慮せず聞いてください。

「香典はご辞退されていますか」

この一言で済みます。

失礼にはあたりません。

むしろ、当日になって渡す渡さないでもたつくほうが、相手の負担になります。

喪主に直接聞きにくければ、他の親族に確認しても構いません。

続柄ごとの金額の目安

包むと決めたら、次は金額です。

親族の場合

一般的に言われている目安です。

続柄目安
3万〜10万円
兄弟姉妹3万〜5万円
祖父母1万〜3万円
おじ・おば1万〜3万円
いとこ5千〜1万円

これは決まりではなく、よく見られる幅です。

年齢や、地域の慣習でも変わります。

孫から祖父母へ渡す場合、20代の学生や社会人になりたてであれば、1万円程度でも失礼にはあたらないとされています。

迷ったら、同じ立場のきょうだいやいとこと金額を合わせてください。

ひとりだけ突出していると、あとで気を遣わせます。

友人・知人の場合

5千円から1万円が目安とされます。

ただし、家族葬に友人が参列するケースは多くありません。

呼ばれていないのに参列するのは避けてください。

家族葬は、呼ぶ範囲を絞ったうえで行うものです。

弔意を伝えたい場合は、後日あらためて連絡する方法があります。

金額で気をつけること

いくつか、避けるとされている数字があります。

  • 4と9がつく金額(死・苦を連想させる)
  • 偶数(割り切れる=縁が切れる、とされる)

ただし、2万円は許容されることが増えています。

このあたりは地域差が大きい部分です。

新札は避けるのが通例です。

用意していたように見えるためで、新札しかない場合は一度折り目をつけます。

香典袋の書き方

金額が決まったら、袋を用意します。

表書きと名前

宗派によって書き方が変わります。

宗派表書き
仏式(多く)御霊前、御香典
浄土真宗御仏前(御霊前は使わない)
神式御玉串料、御榊料
キリスト教式御花料
分からないとき御香典

浄土真宗では、亡くなるとすぐ仏になるという考え方から「御霊前」を使いません。

宗派が分からない場合、「御香典」であれば大きく外しません。

名前は、水引の下にフルネームで書きます。

夫婦で出す場合は、夫の名前の左に妻の名前を添えます。

中袋の書き方

外側だけ書いて終える方がいますが、中袋の記入がないと施主が困ります。

誰からいくらいただいたかを整理できないためです。

  • 表面:金額を「金参萬円」のように旧字体で書く
  • 裏面:住所と氏名

旧字体でなくても失礼にはあたりません。

読めることのほうが大事です。

お札は、顔が袋の裏側を向くように入れるとされています。

薄墨で書くのか

「悲しみで墨が薄くなった」という意味から、通夜・葬儀では薄墨を使うとされています。

ただ、中袋は普通の黒で構いません。

薄墨だと読みにくく、施主が金額を確認しづらくなるためです。

四十九日以降の法要では、薄墨ではなく黒を使います。

渡し方とタイミング

包み方より、渡すときのほうが迷います。

いつ渡すか

受付があれば受付で、なければ喪主か遺族に直接渡します。

家族葬では受付を設けないことが多いので、後者になります。

タイミングは、式場に着いて挨拶をするときが自然です。

袱紗(ふくさ)から出して、表書きが相手に読める向きにして両手で渡します。

「このたびはご愁傷さまです」と添えれば十分です。

長い言葉は要りません。

渡すだけで帰る場合

参列はしないが、香典だけ渡したいという場合があります。

これは失礼にはあたりません。

ただし、タイミングには気をつけてください。

葬儀の当日、遺族はとても慌ただしくしています。

  • 通夜の前後に伺って、玄関先で渡す
  • 葬儀が終わって数日たってから訪問する
  • 現金書留で郵送する

郵送する場合は、手紙を一枚添えてください。

現金書留で香典袋ごと送ることができます。

なお、辞退の連絡があった場合は、郵送も控えます。

受け取る側:辞退するかどうか

ここからは施主の立場です。

辞退してよい

家族葬で香典を辞退する方は増えています。

理由は主に、香典返しの手間です。

いただいた方の一覧を作り、金額に応じて品物を選び、忌明けに送る。

この作業は、葬儀が終わってから始まります。

疲れが出るころに、事務作業が待っている形です。

「気をつかわせたくない」という理由で辞退して構いません。

理由を細かく説明する必要もありません。

辞退するなら最初に伝える

伝えるタイミングが重要です。

訃報を知らせる、その最初の連絡で伝えてください。

あとから伝えると、すでに用意している方が出てきます。

文面はこれで足ります。

誠に勝手ながら、ご香典・ご供花・ご弔電の儀は固くご辞退申し上げます。

参列の辞退と、香典の辞退は別々に書いてください。

「家族葬で行います」とだけ書くと、参列は遠慮しても香典は送ろう、と受け取られます。

会社関係への伝え方は、家族葬を会社にどう伝えるかにまとめました。

それでも受け取ったとき

辞退を伝えていても、当日持参される方はいます。

その場で強く断らないでください。

相手も気持ちで持ってきています。

いったん受け取り、香典返しをお送りする形にすれば収まります。

会社名義で届いた場合は、扱いが変わります。

福利厚生費として支給されたものなので、香典返しは不要とされています。

個人名義なら、他の香典と同じです。

受け取ったあとの香典返し

受け取ったら、返す作業が発生します。

金額と時期

一般的な目安です。

項目目安
金額いただいた額の3分の1から半額
時期忌明け後1か月以内

高額をいただいた場合、無理に半額を返さなくても構いません。

「今後のために」という意味で多めに包まれていることがあるためです。

その場合は3分の1程度にとどめ、礼状で気持ちを伝えます。

品物の選び方

あとに残らないものが選ばれます。

  • お茶、コーヒー
  • 菓子
  • 洗剤、タオル
  • カタログギフト

当日返し(会葬御礼と一緒に渡す)にする方法もあります。

その場合、金額に関係なく一律の品を渡し、高額の方には後日あらためて追加します。

手間を減らしたいなら、この形が現実的です。

家族葬の香典についてよくある質問

辞退と書いてありましたが、親族なので包みたいです

辞退の意向に従ってください。

どうしても気持ちを表したい場合は、香典ではなく、後日お供えのお菓子を持参する方法があります。

それも辞退されている場合は、無理に渡さないほうが相手のためになります。

いとこの葬儀ですが、いくら包めばいいですか

5千円から1万円が目安とされています。

ただし、付き合いの深さで変わります。

他のいとこと金額を合わせるのが、いちばん揉めません。

香典袋の表書きは何と書きますか

仏式であれば「御霊前」または「御香典」です。

浄土真宗では「御仏前」を使うとされています。

宗派が分からない場合は「御香典」であれば大きく外しません。

家族葬の香典に新札を使ってはいけませんか

避けるのが通例です。

用意していたように見えるためで、新札しかない場合は一度折り目をつけてから包みます。

香典を辞退したら、供花や弔電も断れますか

断れます。

最初の連絡で「ご香典・ご供花・ご弔電の儀は固くご辞退申し上げます」と書けば伝わります。

それぞれ別に書かないと、片方だけ届くことがあります。

まとめ

香典で迷ったら、まず立場を分けて考えてください。

渡す側

  • 辞退の連絡があったら包まない。それが相手のためになる
  • 記載がなければ通常どおり包む
  • 判断がつかなければ「香典はご辞退されていますか」と聞く
  • 目安は親3万〜10万円、兄弟3万〜5万円、祖父母1万〜3万円、いとこ5千〜1万円
  • 同じ立場の人と金額を合わせる
  • 新札は避ける
  • 表書きは迷ったら御香典。浄土真宗は御仏前
  • 中袋に金額と住所を必ず書く

受け取る側

  • 辞退してよい。理由の説明は要らない
  • 伝えるのは最初の連絡のとき
  • 参列辞退と香典辞退は別々に書く
  • 受け取ったら3分の1〜半額を忌明け後1か月以内に
  • 会社名義は香典返し不要

今日できることをひとつ挙げるなら、訃報の文面をもう一度読んで、辞退の記載があるか確かめることです。

そこが分かれば、迷いはほぼ消えます。

誰を呼ぶかで迷っている段階なら、家族葬はどこまで呼ぶ?もあわせてご覧ください。

参考・出典

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この記事を書いた人

終活むすこのアバター 終活むすこ 親の終活に奮闘する40代後半

「おや終活」運営者。40代後半の会社員。親の終活が「ひとごと」でなくなった世代として、墓じまい・遺品整理・実家じまいについて、自分で調べて動いた記録を発信しています。相続や税金など専門判断が必要なことは扱わず、専門家への相談をご案内する方針です。

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