墓じまい当日の服装と持ち物|喪服か平服かは「その日に何をするか」で決まる

墓じまいの日取りが決まると、次に迷うのが服装です。

法要のようなものだから喪服だろうか。

でも、墓石を壊す工事に喪服で立つのも変な気がする。

その迷いは自然です。

墓じまいの当日には、性格の違う2つの場面があるからです。

僧侶を招いてお経をあげてもらう「閉眼供養」と、墓石を撤去する「工事」。

この2つのうち、自分がどちらに立ち会うのかで服装は決まります。

この記事では、その分け方から、持ち物、お布施の包み方、誰を呼ぶかまでをまとめます。

  • 当日は2つの場面に分かれる
  • 服装はどうするか
  • 持ち物
  • お布施の包み方と渡し方
  • 誰を呼ぶか
  • 当日の流れ
目次

墓じまいの当日は、2つの場面に分かれる

ここを分けて考えると、迷いがなくなります。

閉眼供養は「法要」

閉眼供養は、お墓から魂を抜くとされる儀式です。

魂抜き、お性根抜きとも呼ばれます。

僧侶に読経してもらい、参列者が焼香をします。

これは法要の場です。

だから、服装も法要に準じたものになります。

撤去工事は「工事」

閉眼供養が終わると、遺骨を取り出し、石材店が墓石を解体して撤去します。

早ければ、その日のうちに始まります。

こちらは儀式ではなく、重機や工具を使う作業です。

そして、この工事に施主が立ち会う義務はありません。

工事の様子を見届けたい方は立ち会いますが、任せて帰る方もいます。

立ち会うのはどちらか

つまり、当日の予定は次の3パターンに分かれます。

当日の予定服装
閉眼供養に参列する喪服が基本
供養のあと、工事にも立ち会う喪服で行き、着替えを用意すると楽
工事の立ち会いだけ平服でよい

閉眼供養を行わない場合もあります。

宗教的な儀式なので、行うかどうかは家族の考え方によります。

その場合、当日は工事の立ち会いだけになり、喪服は要りません。

服装はどうするか

具体的に見ていきます。

男性の場合

閉眼供養に参列するなら、黒のスーツに白のシャツ、黒のネクタイが基本です。

平服でよい場合は、黒・紺・グレーなど落ち着いた色のスーツで構いません。

ネクタイは、平服なら必須ではありません。

派手な色や柄でなければ、締めても締めなくても問題にはなりません。

光る金具や大きなロゴは避けます。

女性の場合

閉眼供養なら、黒のワンピースやアンサンブル、黒のスーツです。

平服の場合も、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色にまとめます。

  • ストッキングは黒または肌色
  • アクセサリーはパールなど控えめなもの
  • 光沢のある素材や、明るい色のバッグは避ける

ヒールの高い靴は避けてください。

墓地は舗装されていないことが多く、砂利や土の上を歩きます。

ヒールが刺さって歩きにくくなります。

子どもの場合

制服があれば、制服で構いません。

制服がない場合は、白のシャツやブラウスに、黒・紺のズボンやスカートを合わせます。

わざわざ買い揃える必要はありません。

派手な色や大きなキャラクターの絵柄を避ければ、手持ちの服で足ります。

季節と足元

墓地は屋外です。

そして、日陰がないことが多い場所です。

夏は想像以上に暑くなります。

上着を着ていくにしても、供養が終わったら脱いで構いません。

冬は、コートを羽織って構いません。

黒でなくても、地味な色なら問題ありません。

足元は、汚れてもいい歩きやすい靴を選んでください。

工事にも立ち会うなら、なおさらです。

新しい納骨先での服装

見落とされやすいのですが、墓じまいの日と、新しい納骨先に納める日は別になることが多くあります。

遺骨を取り出したその足で移せるとは限らないためです。

新しい納骨先で行うのは、開眼供養や納骨式です。

こちらは魂を入れる側の儀式なので、閉眼供養と同じく法要にあたります。

永代供養墓や樹木葬、納骨堂へ納める場合も同じです。

服装は喪服が基本ですが、施設によっては平服で構わないと案内されることもあります。

先に納骨先へ確認してください。

近年の永代供養施設は、服装の指定をしないところも増えています。

持ち物

当日、あると困らないものです。

供養で使うもの

閉眼供養を行う場合に用意します。

  • お布施(袱紗に包んで)
  • お供え物(故人の好物、菓子、果物など)
  • 線香、ろうそく、ライター
  • 数珠

花やお供えは、菩提寺や石材店が用意してくれる場合もあります。

事前に確認しておくと、二重に用意せずに済みます。

お供え物に厳密な決まりはありません。

故人が好きだったものを選ぶ方が多く、菓子や果物、飲み物が一般的です。

選ばれることが多いもの避けたほうがよいもの
日持ちする菓子、果物生ものや傷みやすいもの
故人が好きだった飲み物香りの強すぎるもの
季節の花とげのある花、毒のある花

この日は最後にお供えする日でもあります。

形式より、そこに何を持っていきたいかで選んで構いません。

作業で使うもの

墓地は長く手入れされていないことがあります。

  • 掃除道具(ほうき、雑巾、たわし)
  • 軍手
  • ゴミ袋
  • タオル
  • 飲み物

ゴミ袋は多めに持っていってください。

思っているより出ます。

持ち帰るもの

ここは忘れられがちなところです。

お供え物とゴミは、必ず持ち帰ってください。

区画は更地にして返すのが原則です。

置いて帰ると、そのまま管理者の負担になります。

供えた食べ物を置いておくと、カラスや動物が荒らす原因にもなります。

供えて、手を合わせて、下げて持ち帰る。

これが一連の流れです。

お布施の包み方と渡し方

閉眼供養を頼む場合に必要になります。

金額の目安

閉眼供養のお布施は、3万円から10万円程度が目安といわれています。

ただし、これは決まった料金ではありません。

お布施は感謝を示すもので、値段表があるわけではないからです。

迷ったら、菩提寺に直接聞いて構いません。

「皆さんはどのくらい包まれていますか」と尋ねれば、失礼にはあたりません。

なお、離檀料は閉眼供養のお布施とは別の話です。

そちらは墓じまいのトラブルは順番で防げるにまとめました。

封筒と表書き

白い封筒か、奉書紙を使います。

水引は不要です。

閉眼供養は不祝儀ではあるものの、お布施は僧侶へのお礼なので、香典とは性格が違います。

書く場所内容
表書き(上段)お布施、御布施
表書き(下段)施主の姓、または「◯◯家」
裏面住所、氏名、金額

金額は「金参萬円」のように旧字体で書く形が正式とされますが、普通の漢数字でも問題にはなりません。

お札は新札でなくて構いませんが、あまりに傷んだものは避けてください。

渡すタイミング

読経が終わったあと、挨拶とあわせてお渡しするのが一般的です。

袱紗から出して、両手で渡します。

「お布施です」と自分から言う必要はありません。

「本日はありがとうございました」と添えれば十分です。

お車代やお膳料が必要かどうかは、菩提寺との関係によります。

これも、事前に聞いておくと当日慌てません。

誰を呼ぶか

意外に悩む部分です。

決まりはない

墓じまいの閉眼供養に、誰を呼ばなければならないという決まりはありません。

ひとりで済ませても問題ありません。

実際、遠方に住む親族を平日に呼ぶのは難しいものです。

参列者は、施主とその家族だけということも珍しくありません。

声をかけたほうがよい人

ただし、そのお墓に遺骨が入っている方の、近い親族には知らせておいたほうが安全です。

自分の親が入っているお墓なら、自分のきょうだいです。

来られるかどうかは別として、知らせずに進めるとあとで揉めます。

「呼ばれなかった」ではなく「聞いていなかった」が問題になります。

日程が決まった時点で、一度連絡を入れておいてください。

親族との進め方は墓じまいのトラブルは順番で防げるに詳しく書いています。

当日の流れ

おおまかな順番です。

順番内容
1参列者が集合し、墓前を掃除する
2僧侶による読経(閉眼供養)
3故人と関係の近い順に焼香・合掌
4お布施を渡す
5遺骨の取り出し
6お供えとゴミを持ち帰る
7石材店による解体撤去工事

工事は当日中に始まることもあれば、後日になることもあります。

遺骨の取り出しには、思ったより時間がかかることがあります。

古い墓ではカロート(納骨室)が土に埋まっていたり、骨壺が複数出てきたりします。

半日は空けておくと安心です。

なお、日取りを決める前に石材店を選んでおく必要があります。

工事の金額は同じ内容でも差が出るので、複数から見積もりを取ってください。

指定石材店の制度がある墓地では選べないことがあるため、そこも先に確認します。

役所での手続きと必要書類は、墓じまいの手続きと必要書類にまとめました。

許可証が出る前に工事はできません。

順番を間違えると、日取りを取り直すことになります。

墓じまい当日の服装と準備についてよくある質問

平服と書かれていたら、普段着で行っていいですか

普段着そのままではなく、落ち着いた色のきちんとした服装を指します。

黒・紺・グレーのスーツやワンピースであれば問題ありません。

ジーンズやサンダル、派手な色や柄は避けてください。

閉眼供養はしなくてもいいですか

法律上の義務ではありません。

宗教的な儀式なので、行うかどうかは家族の考え方によります。

ただし寺院墓地では慣例として求められることがあるため、先に菩提寺へ相談しておくと話がこじれにくくなります。

香典は必要ですか

墓じまいの閉眼供養で、参列者が香典を持参する慣習は一般的ではありません。

施主側も、香典を受け取る前提で準備する必要はありません。

親族から渡された場合は、ありがたく受け取って構いません。

数珠は必要ですか

閉眼供養に参列するなら持っていくのが基本です。

工事の立ち会いだけなら必要ありません。

忘れたとしても、それで儀式ができなくなるものではありません。

遺骨は当日持ち帰るのですか

取り出した遺骨は、次の納骨先へ移すまで自分で保管することになります。

長く土の中にあった遺骨は湿っていたり、土が混じっていたりします。

新しい骨壺や、洗浄・乾燥が必要になる場合があるので、石材店に事前に相談しておいてください。

まとめ

服装で迷ったら、その日に何をするのかを確認してください。

  • 当日には閉眼供養(法要)と撤去工事の2つの場面がある
  • 閉眼供養に参列するなら喪服が基本
  • 工事の立ち会いだけなら平服でよい
  • 平服は黒・紺・グレーなど落ち着いた色
  • ヒールの高い靴は避ける。墓地は舗装されていないことが多い
  • 持ち物はお布施・お供え・線香・数珠・掃除道具・ゴミ袋
  • お供えとゴミは必ず持ち帰る
  • お布施は3万〜10万円が目安。白封筒に水引は不要
  • 参列者に決まりはないが、遺骨が入っている方の近い親族には知らせておく

今日できることをひとつ挙げるなら、当日の予定に閉眼供養が含まれるかを石材店か菩提寺に確認することです。

そこが決まれば、服装も持ち物も自動的に決まります。

そもそも墓じまいをするかどうかで迷っている場合は、墓じまいをしないとどうなる?もあわせてご覧ください。

参考・出典

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

終活むすこのアバター 終活むすこ 親の終活に奮闘する40代後半

「おや終活」運営者。40代後半の会社員。親の終活が「ひとごと」でなくなった世代として、墓じまい・遺品整理・実家じまいについて、自分で調べて動いた記録を発信しています。相続や税金など専門判断が必要なことは扱わず、専門家への相談をご案内する方針です。

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次