着物買取でがっかりしないために|値段がつかない理由と売る前にできること

実家の押し入れから、着物が出てきた。

母が大切にしていたものだから、それなりの値段になるはずだ。

そう思って査定に出したら、数百円だった。

「着物 買取 がっかり」という言葉が毎月4,000回以上検索されているのは、同じ経験をした方がそれだけ多いということです。

先にお伝えしておきます。

着物の買取価格は、多くの場合それほど高くなりません。

これは業者が買いたたいているというより、中古着物の市場そのものにいくつかの事情があるからです。

この記事では、その仕組みを正直にお話しします。

そのうえで、売る前にできることと、押し買いのようなトラブルを避ける方法までまとめました。

  • 着物の買取価格が安くなる理由
  • 値段がつきやすい着物・つきにくい着物
  • 売る前にできる3つのこと
  • 押し買いに遭ったときの対処
  • 売る以外の選択肢
目次

着物買取ががっかりしやすい5つの理由

着物の状態や付属品を確認しながら買取前の準備をする女性

なぜ、あれだけ立派に見える着物に値段がつかないのか。

理由は5つあります。

1. 中古着物が市場に溢れている

これが、いちばん大きな理由です。

断捨離、終活、遺品整理。

いま、あちこちの家から同じように着物が出てきています。

一方で、着物を日常的に着る人は減り続けています。

売りたい人が多く、買いたい人が少ない

この状態では、価格は下がります。

業者が意地悪をしているわけではなく、再販できる見込みが立たないから高く買えない、というのが実情のようです。

2. 素材で価格がほぼ決まる

着物の価値は、見た目の華やかさでは決まりません。

まず見られるのが素材です。

値段がつく可能性があるのは、正絹(しょうけん)と呼ばれる絹100%のものです。

ポリエステルやレーヨンの着物は、新品でも手頃な価格で売られています。

そのため、中古ではほとんど値段がつきません。

ここが、持ち主の感覚とずれやすいところです。

豪華に見える柄でも、素材が化学繊維なら評価は変わってきます。

3. 昔の着物はサイズが小さい

意外に思われるかもしれませんが、これも効いてきます。

昔の日本人は、いまより身長が低い方が多くいました。

そのころに仕立てられた着物は、現代の人には丈が足りないことがあります。

着物は仕立て直せますが、その手間と費用がかかる分、買取価格は下がります。

祖母の代の着物ほど、この影響を受けやすくなります。

4. 証紙がないと価値を証明できない

証紙(しょうし)とは、産地や織元、作家などを証明する紙のことです。

大島紬や結城紬といった有名な産地のものには、これが付いています。

証紙があると、買い手が安心して購入できるため、業者も再販しやすくなります。

逆に言えば、本物でも証紙がないと、それを証明する手段がありません

同じ着物でも、証紙の有無で査定額が変わることがあります。

たとう紙(着物を包む和紙)に挟まっていることが多いので、探してみてください。

5. 保管中に傷んでいる

何十年も箪笥に眠っていた着物は、思っている以上に傷んでいることがあります。

  • 黄ばみやシミが出ている
  • カビのにおいがついている
  • 虫に食われている
  • 折り目に強い筋がついている

畳んだまま長く置いておくと、こうした状態になりやすいそうです。

ここで大事な注意点があります。

自分で洗ったり、シミを取ろうとしたりしないでください。

かえって生地を傷めて、価値を下げてしまうことがあります。

そのままの状態で見てもらうほうが安全です。

値段がつきやすい着物・つきにくい着物

ここまでを踏まえて、傾向を整理しました。

見る点つきやすいつきにくい
素材正絹ポリエステル・ウール
証紙ありなし
状態シミ・においがない黄ばみ・カビ・虫食い
サイズ身丈が長い昔の小さい仕立て
種類訪問着・付下げ・紬ウールの普段着・喪服

意外に思われるのが、喪服です。

黒紋付の喪服は、正絹でも値段がつきにくいと言われます。

着る機会が限られていて、中古で買う人がほとんどいないためです。

反対に、大島紬や結城紬などの有名な紬は、証紙があれば評価されやすい部類に入ります。

ただし、これはあくまで傾向です。

実際の金額は、業者がどんな再販路を持っているかでも変わります。

売る前にできる3つのこと

金額を大きく変えるのは難しいのですが、やっておくと違いが出ることはあります。

1. 証紙とたとう紙を探す

まず、これをやってください。

証紙は、着物を包んでいるたとう紙の中や、箪笥の引き出しの隅から出てくることがあります。

購入時の証明書や、仕立ての伝票が残っていることもあります。

紙切れに見えても、価値を裏づける材料になります。

着物と一緒に出せるよう、まとめておいてください。

2. 帯や小物もまとめて出す

着物だけを出す方が多いのですが、周辺のものも一緒に見てもらってください。

  • 帯・帯締め・帯揚げ
  • 草履・バッグ
  • かんざしなどの装飾品
  • 反物(仕立てていない生地)

帯は、着物より高く評価されることもあります。

反物も、仕立てていない分だけ好まれる場合があります。

まとめて出すことで、査定の手間が減って総額が上がることもあるようです。

3. 複数の業者で比べる

ここがいちばん現実的な対策です。

着物の査定額は、業者の再販路によって差が出ます。

海外に販路を持っている業者、リメイク素材として扱う業者、産地物に強い業者。

得意分野が違うので、1社で決めずに、2〜3社に見てもらうほうが納得できます。

そのうえで、正直に言えば、比べても数百円が数千円になる程度のことが多いです。

それでも、捨てれば0円です。

処分する前に一度見てもらう、という順番だけは守っておいて損はありません。

ほかの品目の買取については、生前整理・買取カテゴリでも解説していきます。

押し買い(訪問購入)に注意

ここは、金額の話より大切かもしれません。

「着物を買い取ります」と電話や訪問で持ちかけ、家に上がり込む業者がいます。

着物のつもりで呼んだのに、貴金属や指輪まで出すよう求められた。

そうした相談が、実際に消費生活センターへ寄せられています。

知っておいてほしい決まりが3つあります。

  • 訪問購入はクーリングオフの対象で、書面を受け取った日から8日以内なら解約できる
  • クーリングオフできる期間内は、品物の引き渡しを拒める
  • 業者が嘘を言ったり威圧したりして解約させなかった場合は、8日を過ぎても解約できる

とくに2つ目が効きます。

その場で持って行かれそうになっても、渡さなくて構いません。

一度手放すと、取り戻すのは難しくなります。

迷ったら、その日は預けずに帰ってもらってください。

親が一人で対応してしまうことも考えられます。

実家に高齢の親がいる場合は、この話を先に伝えておいてください。

困ったときの相談先は、消費者ホットライン188です。

局番なしでかけると、最寄りの消費生活センターにつながります。

売る以外の選択肢

値段がつかないと分かったとき、捨てるしかないわけではありません。

方法向いている場合
家族に譲る思い入れがあり、着る人がいる
リメイクする柄を残したい。バッグや小物に仕立て直す
寄付する手放したいが、捨てるのは忍びない
フリマアプリで売る手間をかけてでも自分で値をつけたい

リメイクは、思い出を残したい方に向いています。

着物の柄を使って、バッグやクッションカバーに仕立て直す方法です。

全部は残せなくても、一枚だけ手元に置くという考え方もあります。

私も実家の片付けをしていて思うのですが、すべてを金額で判断しなくていいと思っています。

値段がつかない着物にも、その家の時間は残っています。

実家の片付けの進め方は、実家じまいの費用と手順でも書いています。

着物買取に関するよくある質問

着物を手放すときに、よく出てくる疑問をまとめました。

なぜ100円のような値段になるのですか?

再販できる見込みが低い着物は、そうした金額になることがあります。

素材が化学繊維、証紙がない、サイズが小さい、傷みがある。

これらが重なると、値段はつきにくくなります。

シミがある着物でも見てもらえますか?

見てもらえます。

ただし、査定額は下がります。

先ほどもお伝えしたとおり、自分で洗ったりシミ抜きをしたりせず、そのまま出してください。

喪服は売れますか?

正絹であっても、値段はつきにくいのが実情です。

中古で買う方がほとんどいないためです。

ほかの着物と一緒に引き取ってもらう形になることが多くあります。

宅配買取と出張買取はどちらがいいですか?

量が少なければ宅配、箪笥ごと処分するなら出張が向いています。

出張の場合は、その場で決めずに持ち帰って考えると伝えて構いません。

宅配の場合は、返送のときの送料を誰が負担するのかを先に確認してください。

査定額に納得できないときは断れますか?

断れます。

査定は、売ることを約束するものではありません。

その場で契約してしまった場合も、訪問購入なら8日以内はクーリングオフできます。

まとめ

着物買取でがっかりしないために、押さえておきたい点をまとめます。

  • 中古着物は供給が多く、価格が上がりにくい
  • 値段がつくのは正絹。化学繊維は厳しい
  • 証紙とたとう紙は必ず探す
  • 自分で洗わない。そのまま出す
  • 帯や小物もまとめて見てもらう
  • 2〜3社を比べてから決める
  • 訪問購入は8日以内ならクーリングオフでき、期間内は引き渡しを拒める

期待していた金額にならないと、気持ちが沈みます。

ただ、それは着物の価値がなかったという話ではなく、いまの市場がそうなっているという話です。

金額を知ったうえで、売るのか、譲るのか、一枚だけ残すのか。

そこから選べば、あとで後悔しにくくなります。

まずは、たとう紙を開けて証紙を探すところから始めてみてください。

生前整理の進め方は、生前整理は何から始める?にまとめています。

参考・出典

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この記事を書いた人

終活むすこのアバター 終活むすこ 親の終活に奮闘する40代後半

「おや終活」運営者。40代後半の会社員。親の終活が「ひとごと」でなくなった世代として、墓じまい・遺品整理・実家じまいについて、自分で調べて動いた記録を発信しています。相続や税金など専門判断が必要なことは扱わず、専門家への相談をご案内する方針です。

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