遺品整理について調べていると、「やばい」という言葉に行き当たります。
ただ、この言葉が何を指しているのかが、記事によってばらばらです。
- 金額がやばい
- 業者がやばい
- 現場がやばい
- 精神的にやばい
まったく別の話が、同じ言葉でまとめられています。
この記事では、4つに分けて整理します。
そのうえで、どれが自分に当てはまるのかを見分けられるようにします。
先にお伝えすると、4つのうち3つは、事前に手を打てば避けられます。
- 金額がやばいケース
- 業者がやばいケース
- 現場がやばいケース
- 大事なものが消えるケース
- 気持ちがやばいケース
金額がやばいケース
いちばん多いのがこれです。
見積もりの2倍を請求される
電話で「1Kなら3万円」と言われ、作業後に十数万円を請求される。
これが典型的なパターンです。
金額のトラブルは、遺品整理でいちばん相談が多い部分です。
国民生活センターに寄せられた不用品回収サービスの相談は、2018年度の1,354件から2021年度には2,231件に増えています。
追加料金の仕組み
なぜ差が出るのか、理由ははっきりしています。
| 名目 | 内容 |
|---|---|
| 階段料金 | エレベーターがない、2階以上 |
| 駐車料金 | トラックを近くに停められない |
| 分別作業費 | 仕分けが必要な場合 |
| 家電リサイクル料金 | テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン |
| 特殊作業費 | 大型家具の解体など |
電話での見積もりには、これらが入っていません。
現場を見ていないので、当然です。
だから、電話で出た金額は「最低金額」だと考えてください。
防ぐ方法
やることは3つだけです。
- 必ず訪問見積もりを受ける(電話とネットだけで決めない)
- 見積書に内訳を書いてもらう(総額だけの見積書は避ける)
- 追加料金が発生する条件を書面で確認する
そして、2社以上から取ってください。
同じ部屋でも金額に差が出ます。
複数の業者にまとめて見積もりを依頼できるサービスもあります。
ぽいみつは、遺品整理や不用品の回収に対応した業者へ、一度の入力で見積もりを依頼できるサービスです。運営は株式会社ロイドで、会員登録は不要、見積もりまでは無料です。
申し込むと、対応できる業者から電話がかかってきます。
契約は紹介された業者と直接結ぶ形になるので、金額と作業範囲は必ず書面で確認してください。
遺品整理の見積もりを無料でまとめて依頼する(ぽいみつ)費用の目安は遺品整理の費用相場は?にまとめました。
業者がやばいケース
金額とは別の問題です。
無許可の業者
家庭から出た不用品を回収するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
この許可がない業者に頼むと、回収されたものが不法投棄されることがあります。
そして、不法投棄された廃棄物から出した人が特定されると、依頼した側が責任を問われる場合があります。
「安かったから」で頼んだ結果、後始末を求められる形です。
軽トラックで巡回している業者や、ポストにチラシを入れてくる業者には、その場で頼まないでください。
見分け方
確認するのは、この3点です。
- 市区町村のホームページで、許可業者の一覧に載っているか
- 会社の所在地と固定電話が公開されているか
- 見積書に会社名と住所が入っているか
「遺品整理士」の資格は、判断材料としては弱いところです。
民間資格であり、国家資格ではありません。
持っていることは目安になりますが、回収の許可があるかどうかのほうが重要です。
現場がやばいケース
こちらは、避けようがない場合もあります。
長く放置されていた部屋
亡くなってから時間がたっている場合、部屋の状態が想像と違うことがあります。
- 冷蔵庫の中身が傷んでいる
- 虫やカビが発生している
- においが染みついている
扉を開けた瞬間に、作業が止まることがあります。
こうした現場では、特殊清掃という専門の作業が必要になります。
通常の遺品整理とは別の料金がかかり、対応できる業者も限られます。
自分でやらない判断
この状態で自分でやろうとしないでください。
感染や怪我のリスクがありますし、においは通常の掃除では取れません。
そして、その光景が記憶に残ります。
親の最後の暮らしぶりを、自分の手で全部見ることになります。
見ないという選択をしても、責められることではありません。
業者に任せて、遺品だけ受け取る形にできます。
自分でやるかどうかの判断は、遺品整理を自分でやるか決める前ににまとめました。
大事なものが消えるケース
これも「やばい」と語られる場面です。
誤って処分される
業者の作業は速いものです。
こちらが「これは残す」と伝えていないものは、処分されると考えてください。
見た目では価値が分からないものが、特に危ないところです。
- 桐箱に入った掛け軸や壺(箱ごと捨てられる)
- 証紙のついた着物
- 古い硬貨や切手
- 権利証や保険証券
現金や通帳が家具の裏から出てくることは、実際にあります。
作業が始まってからでは、探す時間がありません。
立ち会うかどうか
可能なら、立ち会ってください。
立ち会えない場合は、次の手を打っておきます。
- 貴重品と思い出の品を、先に別の場所へ移しておく
- 「この部屋は触らない」という形で範囲を切る
- 作業前に部屋の写真を撮っておく
「探してから頼む」のが原則です。
先に探しておくものの一覧は、遺品整理を自分でやるか決める前ににまとめました。
なお、貴重品の捜索を作業に含めるかどうかで料金が変わります。
見積もりの段階で「探しながら作業してほしい」と伝えておくと、あとで食い違いません。
気持ちがやばいケース
最後は、金額でも業者でもない話です。
手が止まるのは普通
作業自体は単純です。
分けて、運んで、捨てる。
それなのに進まないのは、モノに記憶がついているからです。
- 写真が出てきて、そこから動けない
- 自分が送った手紙が保管されていた
- 使いかけの薬や眼鏡が、生活の途中で止まっている
これは段取りの問題ではありません。
1日で終わる量が、1か月かかることがあります。
体調に出ることがある
眠れない、食べられない、涙が出る。
遺品整理の最中や直後に、体調として出ることがあります。
葬儀の直後は気が張っているので、落ち着いたころに出てくることが多いようです。
無理に予定どおり進めないでください。
急ぐ理由がないなら、一度止めて構いません。
賃貸の明け渡しなど期限がある場合は、その部分だけ業者に任せる方法があります。
人に任せていい
「自分でやらないと申し訳ない」と感じる方は多くいます。
でも、遺品整理を自分でやることが供養だ、という決まりはありません。
- 大事なものだけ自分で探す
- 残りは運び出しから任せる
- 思い出のある部屋だけ自分でやる
全部か、全部任せるかの2択ではありません。
分けて考えれば、負担はかなり減ります。
「遺品整理はやばい」についてよくある質問
電話で聞いた金額と請求額が違います
見積書に内訳が書かれているか確認してください。
書面がない、または内訳がない場合は、その場で支払わず消費生活センターに相談できます。
消費者ホットラインは188です。
遺品整理士の資格がある業者なら安心ですか
判断材料のひとつにはなりますが、それだけでは決められません。
民間資格であり、回収の許可があるかどうかのほうが重要です。
訪問見積もりを断られました
その業者は候補から外して構いません。
現場を見ずに正確な金額は出せません。
訪問見積もりに応じない業者は、追加料金が出る可能性が高いところです。
特殊清掃はいくらくらいかかりますか
状態と広さで大きく変わるため、一律の相場はありません。
通常の遺品整理とは別料金です。
複数の業者に現場を見てもらい、内訳を比べてください。
途中で手が止まってしまいました
珍しいことではありません。
期限がないなら、一度止めて構いません。
期限がある場合は、止まっている部分だけ業者に任せる方法があります。
まとめ
「やばい」の中身を、分けて考えてください。
金額
- 電話の見積もりは最低金額。追加が乗る
- 訪問見積もりを必ず受ける
- 内訳と追加条件を書面で確認する
- 2社以上から取る
業者
- 一般廃棄物収集運搬業の許可があるか確認する
- 無許可業者の不法投棄で、依頼した側が責任を問われることがある
- 遺品整理士の資格より、許可の有無
現場
- 長く放置された部屋は特殊清掃が必要になる
- 自分でやらない判断をしていい
大事なもの
- 伝えていないものは処分されると考える
- 桐箱、証紙、権利証は見た目で判断されない
- 可能なら立ち会う。無理なら先に別室へ移す
気持ち
- 手が止まるのは段取りの問題ではない
- 体調に出ることがある。予定どおり進めなくていい
- 全部か全部任せるかの2択ではない
今日できることをひとつ挙げるなら、訪問見積もりを2社に申し込むことです。
金額のトラブルは、これでほぼ防げます。

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